論理展開とは何か

論理展開という言葉がある。文章術の本を読むと「伝わる文章を書くには論理展開が大切」と書かれていたり、Amazonのレビューや書評サイトをみると「この本は論理展開がメチャクチャで何を言ってるのかわからない」と言われたりする。ところが、どの文章をみても「論理展開とは何か」という問いに答えていない。

こういうときに頼るのが辞書だが「論理展開」の定義は載っていなかった。しかたなく「論理」と「展開」の意味をそれぞれ調べることにする。

論理
① 思考の形式・法則。議論や思考を進める道筋・論法。
② 認識対象の間に存在する脈絡・構造。

 

展開

① (次々と物事を)繰り広げること。また,広げて事が行われること。「面白い場面が―する」
② (順や筋を追って)発展すること。進展すること。また,発展させること。「主題を―する」「多様な外交を―する」
③ 目前に広がりあらわれること。「目の前に―する大パノラマ」
④ 軍隊で,密集した隊形から,散開した隊形になること。
⑤ 〘数〙単項式と多項式の積あるいは多項式と多項式の積の形の式を,分配法則を使って単項式の和の形にすること。 ↔因数分解一つの関数を級数の形に表すこと。多面体・柱体・錐体などの表面を切り開いて一平面上に広げること。

 出典:スーパー大辞林

この定義から考えると論理展開とは「情報を伝えるための手順」ということになる。要するに「起承転結」「序論 本論 結論」などの「型」のことだ。しかし、それは「論理の展開」ではなく「文章の展開」ではないか。もしくは「論の展開」だ。

論理といえば、演繹と帰納のことだ。「論理展開」などと言われると、すべての文章を演繹と帰納のルールで書かなければならないと思ってしまうが、そういうことではないらしい。

このような曖昧なことばで何かを説明するのはやめてほしいものだ。